2023年3月54

神経症的な美しさ

神経症的な美しさ
  • 『神経症的な美しさ: アウトサイダーがみた日本』
  • モリス・バーマン/著、込山宏太/訳
  • 慶應義塾大学出版会
  • 2022/12/03
  • ISBN: 9784766428568

▲アメリカとの葛藤のなかで進んできた日本近代。その功罪の原因を探究する。
▲アメリカ型の拡張主義的な資本主義の限界を越える「ポスト資本主義」のモデルに日本はなりうるか?
禅、民芸、京都学派、アート、オタク文化など、広範囲にわたる文化事象を参照しながら、日本人の精神史をアメリカとの接触の中でどう変容してきたかをたどり、〈日本的なるもの〉の可能性を精査する。『デカルトからベイトソンへ』の思想家が贈る骨太の日本人論。

-- 神経症的な美しさ モリス・バーマン(著) - 慶應義塾大学出版会 | 版元ドットコム

あなたと動物と機械と

あなたと動物と機械と
  • 『あなたと動物と機械と: 新たな共同体のために』
  • ドミニク・レステル/著、渡辺茂/監修、鷲見洋一/監修、若林美雪/翻訳
  • ナカニシヤ出版
  • 2022/12/09
  • ISBN: 9784779516047

ひと-動物-機械のあいだに友情はあるのか?
あまたある行為主体による豊かなコミュニケーションに満ちた、新たな共同体のための友情と連携の哲学。

-- あなたと動物と機械と ドミニク・レステル(著/文) - ナカニシヤ出版 | 版元ドットコム

文学と国柄

文学と国柄
  • 『文学と国柄: 一九世紀日本における文学史の誕生』
  • エマニュエル・ロズラン/著、藤原克己/翻訳、鈴木哲平/翻訳
  • 岩波書店
  • 2022/12/15
  • ISBN: 9784000615709

19世紀の日本において、時代の要請と社会の動向の複雑な作用の交錯のうちに、青年たちはいかにして文学史を作り上げていったのか。最初の日本文学史の構想とその生成過程を、1880年代当時の東京大学文学部の史料精査と、そこで学び育った研究者たちの著作の分析を通して考究する。原著は第22回渋沢・クローデル賞受賞。

-- 文学と国柄 エマニュエル・ロズラン(著/文) - 岩波書店 | 版元ドットコム

コモンズのガバナンス

コモンズのガバナンス
  • 『コモンズのガバナンス: 人びとの協働と制度の進化』
  • 原田禎夫/翻訳、齋藤暖生/翻訳、嶋田大作/翻訳、エリノア・オストロム/著
  • 晃洋書房
  • 2023/01/23
  • ISBN: 9784771037083

政府でもなく、市場でもない、コモンズの可能性
人びとが共有する資源(コモンズ)の安定的な管理には、政府の介入か私有化しかないという定説に異を唱え、人びとによる自治が着目されるさきがけとなった不朽の名著。2009年ノーベル経済学賞受賞、待望の翻訳!

-- コモンズのガバナンス 原田 禎夫(翻訳) - 晃洋書房 | 版元ドットコム

家族変動と子どもの社会学

家族変動と子どもの社会学
  • 『家族変動と子どもの社会学: 子どものリアリティ/子どもをめぐるポリティクス』
  • 野辺陽子/編著、元森絵里子/著、野田潤/著、日比野由利/著、三品拓人/著、根岸弓/著
  • 新曜社
  • 2022/12/20
  • ISBN: 9784788517950

子どもは、家族の個人化や自身の準主体化、「子どものため」の制度、実践、価値観をいかに経験しているか。そのリアリティとポリティクスを、離婚、生殖技術、児童養護施設、児童虐待の事例から明らかにし、親子関係・ケアの理論に新たな論点を示す。

-- 家族変動と子どもの社会学 野辺 陽子(編著) - 新曜社 | 版元ドットコム

アートプレイスとパブリック・リレーションズ

アートプレイスとパブリック・リレーションズ
  • 『アートプレイスとパブリック・リレーションズ: 芸術支援から何を得るのか』
  • 川北眞紀子/著・文・その他、薗部靖史/著・文・その他
  • 有斐閣
  • 2022/12/05
  • ISBN: 9784641166059

デジタル化とコモディティ化が進む現代,アートの「場」から得られる知見や着想,地域や文脈とのつながり,そして真正性は,企業にとって有益なものである。アートプレイスの構築から企業が得られるものとは何か。取材と分析から得られた知見をもとに伝えていく。

-- アートプレイスとパブリック・リレーションズ 川北 眞紀子(著・文・その他) - 有斐閣 | 版元ドットコム

中世史とは何か

中世史とは何か
  • 『中世史とは何か』
  • ジョン・H.アーノルド/著、図師宣忠/翻訳、赤江雄一/翻訳
  • 岩波書店
  • 2022/12/27
  • ISBN: 9784000615778

フィクションの世界で描かれる「暗黒の中世」は、近代ヨーロッパが創り出した政治的な物語だ。異端審問、王の儀礼、市民の裁判……注意深く史料を読み解けば、当時の人びとが生き生きと甦る。『歴史〈一冊でわかる〉』やBBCの企画、市民向け講座で有名なケンブリッジ大学教授が誘う、新鮮でドキドキする本格的中世史入門。

-- 中世史とは何か ジョン・H.アーノルド(著/文) - 岩波書店 | 版元ドットコム

環境社会学事典

環境社会学事典
  • 『環境社会学事典』
  • 環境社会学会/編集
  • 丸善出版
  • 2023/04/01
  • ISBN: 9784621307540

環境社会学は、人間社会とその周辺の自然環境との相互作用を社会や人々の側から検討する学問である。日本の環境社会学は、公害や大規模開発の問題等の解決を目指す「環境問題の社会学」と、人間と自然環境の多様な関係性や生活世界の理解を目指す「環境共存の社会学」として展開されてきた研究がベースとなっている。ともに被害者、被災者、生活者、居住者の視点とフィールドワークを重視しながら、時には隣接する学問分野と協働し研究することが特長といえる。
新型コロナウイルス感染症、豪雨による洪水被害、猛暑・台風・豪雪の激甚化など、私たちの日常生活は多くのリスクに直面している。このようなリスクの根源には人間社会と自然環境との関係性の歪みが潜んでいる。
本事典は、こうした時代だからこそ社会にとって重要な意味を持つ、環境社会学の視座やアプローチ、これまでの研究蓄積、そして今後の展開を収載している。

-- 環境社会学事典 環境社会学会(編集) - 丸善出版 | 版元ドットコム

日本語からの哲学

日本語からの哲学
  • 『日本語からの哲学: なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか?』
  • 平尾昌宏/著
  • シリーズ: 犀の教室
  • 晶文社
  • 2022/09/27
  • ISBN: 9784794973276

〈です・ます〉体で書き上げた論文が却下された著者が抱いた疑問。「なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか?」
〈である〉と〈です・ます〉、二つの文末辞の違いを掘り下げていった末にたどり着いたのは、全く異なった二つの世界像=哲学原理だった。
国語学、日本語学の成果をふまえ、日本語で哲学することの可能性を追求した画期的な論考。〈である〉と〈です・ます〉それぞれが表す哲学原理とは? 愛、正義、ケアの概念は〈である〉で語るべきか、それとも〈です・ます〉で語るべきか? 世界には〈です・ます〉でしか描けないものがある。スケールの大きな思考実験にして、唯一無二の哲学入門。

-- 日本語からの哲学 平尾昌宏(著/文) - 晶文社 | 版元ドットコム

だれが校則を決めるのか

だれが校則を決めるのか 民主主義と学校
  • 『だれが校則を決めるのか: 民主主義と学校』
  • 内田良/著、山本宏樹/著
  • 岩波書店
  • 2022/12/16
  • ISBN: 9784000615754

「地毛証明書」への疑問、制服のジェンダーレス化要望……いまだに残る理不尽なルールをはじめ、校則のあり方が問われている。それをだれが、どのように見直し、決めていくのが望ましいのか。生徒・教師・保護者・市民……人々の校則との関わりの実際と構造、そして民主主義的な場である学校のルール形成の可能性を探る。

-- だれが校則を決めるのか 内田 良(著/文) - 岩波書店 | 版元ドットコム

トゥーキュディデースとホッブズ

トゥーキュディデースとホッブズ
  • 『トゥーキュディデースとホッブズ: 真のリアリズムを求めて』
  • 木庭顕/編集・翻訳
  • みすず書房
  • 2022/12/05
  • ISBN: 9784622095590

鮮やかな論証で先入見を覆す最新最良の論集。HobbesのThoukydides受容を論じる気鋭の2篇(Hoekstra, Iori)を基軸に、Hobbes研究最先端(Malcolm, Hoekstra)、Thoukydides研究(De Romillyの古典的傑作、編訳者書き下ろし)を緊密に編む。同時代の政治状況においてThoukydidesを真剣に読んだHobbesを、現代の私たちが真剣に読む。真のリアリズムを求めて。

-- トゥーキュディデースとホッブズ 木庭顕(編集 | 翻訳) - みすず書房 | 版元ドットコム

アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?

アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?
  • 『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?: これからの経済と女性の話』
  • 河出書房新社
  • 2021/11/17
  • ISBN: 9784309300160

アダム・スミスが研究中、身の周りの世話をしたのは誰? 女性不在の経済神話を終わらせ、新たな社会を志向する21世紀の経済本。

-- アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? - 河出書房新社 | 版元ドットコム

アディクションと金融資本主義の精神

アディクションと金融資本主義の精神
  • 『アディクションと金融資本主義の精神』
  • 鈴木直/著
  • みすず書房
  • 2023/03/20
  • ISBN: 9784622096047

中毒、依存、嗜癖(しへき)などと訳される「アディクション」。スマホ、ギャンブル、ゲーム、飲酒、買い物……その対象は多岐にわたり、今日のネット社会ほどアクセスが容易になったことは人類史上かつてない。短期報酬を追い求めるアディクション化した金融経済は、実体経済を呑み込みながら、資本主義のカジノ化を推進している。
拡大するアディクションと、不安定化する金融資本主義。著者はそこに、人間の認知機能にそなわった特異な能力と脆弱性が深く関与していることを突き止める。そもそも近代化と資本主義の内に、アディクションを生み出す認知的なメカニズムが潜んでいるのだ。本書では、カント、ヘーゲル、ゲーテ、マルクスらの近代思想をふり返りながら、両者の関連をたどっていく。
しかも認知機能には限界がなく、それゆえ現代資本主義は、土地も人口も資源も尽きることがない無限の仮想空間(メタバース)に新たな収益源を求めつつある。
社会の断片化によって孤立した個人がアディクション的行動に走り、それが資本主義をさらに不安定化させる。拠り所を失った個人は、やがて独裁者やカルト集団にも容易に隷従することになるだろう。
アディクションを抑制しながら、民主主義が資本主義をコントロールする社会をつくり上げていくことは可能なのか。広い視野と多様な領域から、共に解決を求める場を開く。

-- アディクションと金融資本主義の精神 鈴木直(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

ケアの倫理と共感

ケアの倫理と共感
  • 『ケアの倫理と共感』
  • マイケル・スロート/著、早川正祐/翻訳、松田一郎/翻訳
  • 勁草書房
  • 2021/11/30
  • ISBN: 9784326102983

ギリガンやノディングズが立ち上げたケアの倫理を、道徳を包括的に説明しうる規範理論として提示。共感という概念を軸に据える。
感情主義的な徳倫理学の提唱によって現代倫理学に新たな道を拓いたスロートが、本書では「成熟した共感」という観点を掘り下げることでケアの倫理を義務論や功利主義と並び立つ規範倫理学として展開。発達心理学に依拠しつつ共感概念を洗練させ、人間の情緒や関係性に根ざした道徳理解から行為や制度の正/不正、自律と尊重を論じる。

-- ケアの倫理と共感 マイケル・スロート(著/文) - 勁草書房 | 版元ドットコム

未来倫理

未来倫理
  • 『未来倫理』
  • 戸谷洋志/著
  • 集英社
  • 2023/01/17
  • ISBN: 9784087212488

私たちの行動はいま生きている世代に限らず、遠い未来にまで影響を与えることがある。テクノロジーの発達によってもたらされた行為と結果の大きな時間差は、私たちの社会に倫理的な課題を次々投げかける。気候変動、放射性廃棄物の処理、生殖細胞へのゲノム編集……。現在世代は未来世代に対して倫理的な責任があるのならば、この責任をどのように考え、どのように実践したらよいのか。倫理学の各理論を手掛かりに、専門家任せにせず私たちが自らの考えを形作るための一冊。

-- 未来倫理 戸谷 洋志(著/文) - 集英社 | 版元ドットコム

公共哲学入門

公共哲学入門
  • 『公共哲学入門: 自由と複数性のある社会のために』
  • 齋藤純一/著、谷澤正嗣/著
  • NHK出版
  • 2023/03/25
  • ISBN: 9784140912782

わかりあえない他者と生きる思考法
多様性よりも「複数性」を、そして何よりも人間の「平等な自由」を実現するために――。カントに始まり、功利主義、ロールズ、リバタリアニズムなど定番の要点をしっかり押さえたうえで、デモクラシーの価値を根底から問い直す。「今だけ・自分だけ」の発想を乗り越えて、政治的意思の違いを互いに解消することなく、共に生きていく視点を身につける「新しい教科書」!

-- 公共哲学入門 齋藤 純一(著/文) - NHK出版 | 版元ドットコム

アーレントと革命の哲学

アーレントと革命の哲学
  • 『アーレントと革命の哲学: 『革命論』を読む』
  • 森一郎/著
  • みすず書房
  • 2022/12/20
  • ISBN: 9784622095545

暴力によるのではない仕方で、新しく始めることはいかにして可能か。…革命の成否のカギは暴力にあるとする固定観念を疑問に付し、政治的なものに固有な「権力(パワー)」、つまり言論と行為にみなぎる人間力に革命の本質を見出そうとするのが、アーレントの『革命論』なのである。同じく人類古来の言い伝えを借りて表現すれば、こうなろう――「はじめに言論(ロゴス)があった」と。新しい始まりとしての革命を構想する哲学は、暴力ならぬ言論の力を、つまりその意味での人間力を信ずるものでなければならない〉
アーレント『革命論』をどう読むか。本書は『革命論』の訳者による、詳細なテクスト読解である。「革命とは何か」についてのアーレントの基本的考え方、フランス革命からロシア革命にいたる系譜だけでなく、アメリカ独立革命にアーレントが重点を置いた意味、さらに、始まりとは、約束とは、「どんな革命にも驚くべき規則性で現われてくる新しい国家形態」である評議会制とは、そして憲法とはいかなるものか。
このように『革命論』を読み解きながら、著者はわれわれを取り巻く戦後日本の姿、とくに日本国憲法のあり方をめぐって考察を進めてゆく。
一冊の本から何を知り、理解し、考えることができるか。厳密かつ自由なレッスンの書である。

-- アーレントと革命の哲学 森一郎(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

自由意志対話

自由意志対話 自由・責任・報い
  • 『自由意志対話: 自由・責任・報い』
  • ダニエル・C・デネット/著、グレッグ・D・カルーゾー/著、木島泰三/翻訳
  • 青土社
  • 2022/12/23
  • ISBN: 9784791775255

肯定論者×懐疑論者。自由意志から現実世界を問いなおす。
デネットは自由意志と決定論についての両立論を肯定し、私たちには自由意志があるとはっきり主張する。カルーゾーは決定論と自由意志は両立せず、私たちは自由意志を欠いていると考える。伝統的に対立してきた二つの立場をとるデネットとカルーゾー。異なる立場から、自由意志、そしてそこから派生する責任、賞賛、非難、刑罰の問題までをも縦横無尽に議論する。

-- 自由意志対話 ダニエル・C・デネット(著/文) - 青土社 | 版元ドットコム

親切の人類史

親切の人類史
  • 『親切の人類史: ヒトはいかにして利他の心を獲得したか』
  • マイケル・E・マカロー/著、的場知之/翻訳
  • みすず書房
  • 2022/12/20
  • ISBN: 9784622095675

人間の「利他の心」の存在はどのように説明できるだろう? 一筋縄ではいかないこの問いに、進化生物学と慈善の歴史という観点から挑みかかる。
「利他行動」は生物学の難問の一つだ。ヒトをはじめ、他個体を利する行動をとる動物は実際に存在する。だがしかし、寛大にも他者を思いやる個体の遺伝子は、狡猾な個体に出し抜かれて繁殖機会を奪われ、淘汰されてしまうのでは? 生物学者たちはこのことにおおいに悩み、利他行動を説明できる理論を求めて奮闘してきた。
ただし、人間の利他の心は、生物学だけで完全に説明することはできない。社会福祉制度や慈善活動などの方法で、血縁や地域を超えた「完全な赤の他人」にまで援助の手を差し伸べる動物は人間以外にいないのだ。ここには、何か特別な説明が必要になる。著者によれば、一万年の人類史における「七つの大いなる苦難」を、人類がどう解決してきたかが説明のカギだという。
本書では、利他行動に関するいくつかの理論の要点とその妥当性を検討したのち、歴史を通して力を発揮してきた人間特有の能力を鮮やかに提示する。人類史上もっとも寛大な「思いやりの黄金時代」を生きる私たち。ここへ至るまでの道程を照らし出す、本能と理性のビッグヒストリー。

-- 親切の人類史 マイケル・E・マカロー(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

リアリティ+(プラス) 下

リアリティ+(プラス) 下
  • 『リアリティ+(プラス) 下: バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦』
  • デイヴィッド・J・チャーマーズ/著、高橋則明/翻訳
  • NHK出版
  • 2023/03/25
  • ISBN: 9784140819371

VRは〝真の実在〞なのか? さまざまな思考実験をもとに新たな「現実」に迫る!

-- リアリティ+(プラス) 下 デイヴィッド・J・チャーマーズ(著/文) - NHK出版 | 版元ドットコム

リアリティ+(プラス) 上

リアリティ+(プラス) 上
  • 『リアリティ+(プラス) 上: バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦』
  • デイヴィッド・J・チャーマーズ/著、高橋則明/翻訳
  • NHK出版
  • 2023/03/25
  • ISBN: 9784140819364

この世界は本物か? 現代の代表的哲学者によるテクノロジーと「心の哲学」探求の最先端
私たちがいるこの世界は本物なのだろうか? それが「確か」だとなぜわかるのか?
テクノロジーが急速な発展を遂げるなか、古くて新しい哲学的難問があらためて問い直されている――
現実(リアリティ)とは何か、どのようにしてそれを知ることができるのか。「シミュレーション仮説」「可能世界」「水槽の中の脳」など、さまざまな思考実験を通じ、見えてくるものとは。
現代哲学の第一人者チャーマーズが、哲学とテクノロジーを大胆に融合させ、新しい現実(リアリティ)、新しい世界観を提示する。

-- リアリティ+(プラス) 上 デイヴィッド・J・チャーマーズ(著/文) - NHK出版 | 版元ドットコム

監査文化の人類学

監査文化の人類学
  • 『監査文化の人類学』
  • マリリン・ストラザーン/著
  • 水声社
  • 2022/12/23
  • ISBN: 9784801006942

人類学者たちが直面するブルシット・ジョブ?!
《説明責任を果たせ!》、《それは何の役に立つのか?》――私たちの日常に忍び込んできた「監査文化」。
市場原理と結びついた生産性の追求とペーパーワークの増大によって、社会はどのように変容したのか? 新自由主義に基づく大学再編成の波を背景に、雑務に忙殺される人類学者たちがみずからの職場を描きだす!

-- 監査文化の人類学 マリリン・ストラザーン(著/文) - 水声社 | 版元ドットコム

シュッツの社会科学認識論

シュッツの社会科学認識論
  • 『シュッツの社会科学認識論: 社会の探究が生まれるところ』
  • 高艸賢/著
  • 晃洋書房
  • 2023/03/03
  • ISBN: 9784771036949

現象学から社会科学を考える
ベルクソン、フッサール、ウェーバーの3人を知的源泉とするシュッツ。「生」と「認識」の関係を問う彼の問題意識を、現代に継承する。
社会科学が知を生み出すことはいかにして可能か。シュッツの社会理論を手がかりに、学問の前提を問い直す

-- シュッツの社会科学認識論 高艸 賢(著/文) - 晃洋書房 | 版元ドットコム

価値論

価値論 人類学からの総合的視座の構築
  • 『価値論: 人類学からの総合的視座の構築』
  • デヴィッド・グレーバー/著、藤倉達郎/翻訳
  • 以文社
  • 2022/12/02
  • ISBN: 9784753103713

『負債論』や『ブルシット・ジョブ』そして遺作となった『万物の黎明(The dawn of everything)』(D・ウェングロウとの共著)などの著作で、つねに世の「常識」とされるものの根幹にある思考パターンの転覆を試みてきたデヴィッド・グレーバーが、自身の博士論文の出版を後回しにしてまで取り組んだ「最初の主著」であり、袋小路に入り込んでいる社会理論がそこから抜け出すために仕掛けられた「価値の総合理論」。
さまざまな社会の価値体系を記述してきた人類学は、ポストモダン(思想)と新自由主義が席巻するなか、批判なき相対主義という罠に嵌っている。その人類学を救い出そうとするグレーバーの当初の目論見は思わぬ壮大な思考実験、つまり新たな価値理論の構築へと進む──
「意味の体系(この世界を理解したい)」と「欲望の理論(このような状況を実現したい)」を、そしてカール・マルクスとマルセル・モースを架橋する、のちに複数の怪物的な著作として結実したグレーバー思想の源流。

-- 価値論 デヴィッド・グレーバー(著/文) - 以文社 | 版元ドットコム

個別化する現代日本企業の雇用関係

個別化する現代日本企業の雇用関係
  • 『個別化する現代日本企業の雇用関係: 進化する企業と労働組合の対応』
  • 三吉勉/著
  • シリーズ: MINERVA 現代経営学叢書
  • ミネルヴァ書房
  • 2023/03/22
  • ISBN: 9784623094936

日本の大企業セクターにおける個別化された雇用関係の現実とは――。労使関係論の方法である「どんな仕事をどれくらいやって、いくらもらうのか」という仕事に関する規則に着目、その規則を決定するために労使間でどのような合意形成のための取り組みがなされているのか、ある日本企業の企業別労働組合を事例に観察・分析、今後を展望する。

-- 個別化する現代日本企業の雇用関係 三吉 勉(著/文) - ミネルヴァ書房 | 版元ドットコム

ポピュラーカルチャーからはじめるフィールドワーク

ポピュラーカルチャーからはじめるフィールドワーク
  • 『ポピュラーカルチャーからはじめるフィールドワーク: レポート・論文を書く人のために』
  • 圓田浩二/編、池田太臣/編
  • 明石書店
  • 2022/12/02
  • ISBN: 9784750354644

マンガやゲーム、アイドル、鉄オタ、お祭りなどのフィールドワークはどうやるの? ふだんからなじみのある対象を研究テーマにしたい――どうしたらよいのかわからない方々に、“フィールドワーク”を提案、推奨。著者自身のリアルな体験にもとづいて赤裸々に語る7話。

-- ポピュラーカルチャーからはじめるフィールドワーク 圓田 浩二(編) - 明石書店 | 版元ドットコム

ゆるい職場

ゆるい職場 若者の不安の知られざる理由
  • 『ゆるい職場: 若者の不安の知られざる理由』
  • 古屋星斗/著
  • 中央公論新社
  • 2022/12/08
  • ISBN: 9784121507815

「働きやすい会社」を、なぜ若者は辞めてしまうのか?
新時代の、若者・仕事・日本社会を紐解く――
「今の職場、“ゆるい”んです」「ここにいても、成長できるのか」。そんな不安をこぼす若者たちがいる。2010年代後半から進んだ職場運営法改革により、日本企業の労働環境は「働きやすい」ものへと変わりつつある。しかし一方で、若手社員の離職率はむしろ上がっており、当の若者たちからは、不安の声が聞かれるようになった――。本書では、企業や日本社会が抱えるこの課題と解決策について、データと実例を示しながら解説する。

-- ゆるい職場 古屋星斗(著/文) - 中央公論新社 | 版元ドットコム

メディアと感情の政治学

メディアと感情の政治学
  • 『メディアと感情の政治学』
  • カリン・ウォール=ヨルゲンセン/著、三谷文栄/翻訳、山腰修三/翻訳
  • 勁草書房
  • 2020/11/30
  • ISBN: 9784326351800

怒り、愛情、恐怖……。感情がメディアを駆けめぐる。SNSや、一見「客観的」なニュースにさえもあふれる「感情」を鋭く分析する! 
ポピュリスト政治家がソーシャルメディアを通じてあおる「怒り」、災害報道に私たちが寄せる「共感」。メディアを通じて喚起され、共有される感情をどうとらえればいいのか。記者が取材する中で行う感情労働から、SNSが気づかぬうちに私たちの感情を管理するメカニズムまで、新たな視点でメディアと感情の関係に斬り込む。

-- メディアと感情の政治学 カリン・ウォール=ヨルゲンセン(著/文) - 勁草書房 | 版元ドットコム

お母さんは忙しくなるばかり

お母さんは忙しくなるばかり
  • 『お母さんは忙しくなるばかり: 家事労働とテクノロジーの社会史』
  • ルース・シュウォーツ・コーワン/著、高橋雄造/訳
  • 法政大学出版局
  • 2010/10/15
  • ISBN: 9784588364143

19世紀以来の工業化、20世紀の家庭電化による家事労働の再編は、主婦の仕事を本当に楽にしたのだろうか? かつては夫や子どもたち、さらには使用人も含めて分担していた家事労働が、テクノロジーの進化とともに主婦に集約されてゆくアイロニカルな過程、今日まで強固に存在する「男女別領域」の教義が確立される過程を、社会史・技術史の視点から描いた家事労働論の基本文献。柏木博氏推薦。

-- お母さんは忙しくなるばかり ルース・シュウォーツ・コーワン(著) - 法政大学出版局 | 版元ドットコム

主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら

主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら
  • 『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら: 15冊から読み解く家事労働と資本主義の過去・現在・未来』
  • チョン・アウン/著、生田美保/翻訳
  • DU BOOKS
  • 2023/01/20
  • ISBN: 9784866471891

「主婦は家でぐうたら」している? そう言われた韓国のひとりの主婦が、
日本でも翻訳されている話題の書を含む15冊を読み解き、
こんな言葉を生む社会の仕組みの始まりをたどる旅へ──
「労働者が妻を扶養しているのではなく、妻が、
労働者を働きに出られるように扶養しているのだ。」──本文より
女性、男性、非婚女性、すべての人類のこれからを考えるための教養エッセイ!

-- 主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら チョン・アウン(著/文) - DU BOOKS | 版元ドットコム

AI 2041 人工知能が変える20年後の未来

AI 2041 人工知能が変える20年後の未来
  • 『AI 2041 人工知能が変える20年後の未来』
  • カイフー・リー(李開復)/著、チェン・チウファン(陳楸帆)/著、中原尚哉/翻訳
  • 文藝春秋
  • 2022/12/08
  • ISBN: 9784163916422

・グーグル中国元社長の人工知能学者が最先端テクノロジー解説
・鬼才のSF作家がストーリーで見事にビジュアライズ
【最高のストーリー+AI技術解説で描く「20年後の私たちの世界」】
‡AI保険が個人生活を深層学習、恋愛相手まで決める
‡パンデミック対応でAI医療が発達。非接触型社会へ
‡完全自動運転とスマートシティ。移行期の課題とは
‡没入型V Rがエンタメを一変。東京がメタバース聖地に
‡バーチャルAI教師が子どもを教育。才能を開花させる
‡量子コンピュータが発達。AI兵器が人類存亡の危機を招く
‡幸福の定義が変わり、経済モデルは全く新しくなる
われわれはA Iに降伏するのか? それとも、AIでよき未来をつくるのか?
ChatGPT、深層学習、未来予測、自然言語処理、AI教育、ディープフェイク、自動運転、VR/AR/MR、メタバース、量子コンピュータ、仮想通貨、ブロックチェーン、AI兵器、幸福感、消える職業・生まれる職業、ベーシックインカムなど、本書一冊ですベてを網羅。

-- AI 2041 人工知能が変える20年後の未来 カイフー・リー(李 開復)(著/文) - 文藝春秋 | 版元ドットコム

公衆衛生の倫理学

公衆衛生の倫理学
  • 『公衆衛生の倫理学: 国家は健康にどこまで介入すべきか』
  • 玉手慎太郎/著
  • 筑摩書房
  • 2022/12/16
  • ISBN: 9784480017628

健康をめぐる社会のしくみは、人々の自由をどう変えるのか。セン、ロールズ、ヌスバウムなどの議論を手掛かりに、現代社会に広がる倫理的な難問をじっくり考える。

-- 公衆衛生の倫理学 玉手 慎太郎(著/文) - 筑摩書房 | 版元ドットコム

複合国家イギリスの地域と紐帯

複合国家イギリスの地域と紐帯
  • 『複合国家イギリスの地域と紐帯』
  • 岩井淳/著・編集、道重一郎/著・編集
  • 刀水書房
  • 2022/12/12
  • ISBN: 9784887084766

近世ウェールズ史やスコットランド史を対象に「統合の中の独自性」「統合の中の重層性」を示す第一部。近世のアイルランド・イングラ ンド関係を通して「分裂のなかの紐帯模索」を提起する第二部。複合国家の紐帯がもつ多様な側面に光を当てた第三部。統合の「紐帯」は、16世紀から18世紀にかけて、どのように変遷し、王権や議会以外にも教育や軍隊、貿易活動などは、「紐帯」として、どのような役割を果たしたのであろうか。こうして、イギリスの構造を読者は深く知る事が可能となる。

-- 複合国家イギリスの地域と紐帯 岩井 淳(著/文 | 編集) - 刀水書房 | 版元ドットコム

変革する文体

変革する文体 もう一つの明治文学史
  • 『変革する文体: もう一つの明治文学史』
  • 木村洋/著
  • 名古屋大学出版会
  • 2022/12/26
  • ISBN: 9784815811082

新たな文体は新たな社会をつくる
小説中心主義を脱し、政論・史論から翻訳・哲学まで、徳富蘇峰を起点にして近代の「文」の歩みを辿りなおし、新興の洋文脈と在来の和文脈・漢文脈の交錯から、それまでにない人間・社会像や討議空間が形づくられる道程をつぶさに描いた意欲作。

-- 変革する文体 木村 洋(著) - 名古屋大学出版会 | 版元ドットコム

読むことのアレゴリー

読むことのアレゴリー
  • 『読むことのアレゴリー』
  • ポール・ド・マン/著、土田知則/翻訳
  • 講談社
  • 2022/12/15
  • ISBN: 9784065302279

批評界に大きな衝撃を与えるとともに、文学批評はもちろん、哲学・思想の領域にも深い影響を与えた巨人ポール・ド・マン(1919-83年)。ド・マンを領袖とする「イェール学派」は、第一世代に属するハロルド・ブルーム、ジェフリー・H・ハートマン、J・ヒリス・ミラー、第二世代に属するバーバラ・ジョンソン、ショシャナ・フェルマンの名とともに無数の輝かしい成果をあげてきた。その原点に位置するのが本書『読むことのアレゴリー』(1979年)であり、そこで全面的に展開されたド・マンの「脱構築批評」は文字どおり世界を震撼させた。
本書の一貫した主題は、言語の「比喩性」の観点から「読むこと」の本質を考察することにある。テクストに普遍的=不変的な意味を見出そうとする「字義性」に基づく発想をド・マンは虚妄として暴き出す。その帰結として高らかに宣言されるのが、言語はすべて比喩的である、というテーゼにほかならなかった。つまり、言語は絶えず自身とずれていく。それゆえ、語りは決定的な終結を迎えることに必ず失敗し、コミュニケーションはディスコミュニケーションとなる。例えば、アメリカのテレビドラマ『All in the Family』の一話で靴紐の結び方を聞かれた男が口にする「What’s the difference?」という言葉に見られるように、言語は常に「字義どおりの意味(literal meaning)」と「比喩的な意味(figurative meaning)」のあいだで宙吊りになり、意味の決定不可能性に直面するわけである。本書は、このことをルソー、ニーチェ、リルケ、プルーストにも見出される本質的な特性として示し、それらのテクストがみずからを脱構築し、さまざまな内部矛盾を遂行してしまうさまを鮮やかに浮かび上がらせる。
ド・マンの主著にして現代批評理論・現代思想の領域に聳え立つ一大金字塔──その定評ある明快な日本語訳を文庫版で手にできる快楽がここに生まれた。

-- 読むことのアレゴリー ポール・ド・マン(著/文) - 講談社 | 版元ドットコム

禁断の進化史

禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか
  • 『禁断の進化史: 人類は本当に「賢い」のか』
  • 更科功/著
  • NHK出版
  • 2022/12/12
  • ISBN: 9784140886892

私たちは、「バカ」だったから繁栄した!?

人類は他の生物より、知能が高く、そのために文明を築き成功することができた、と思われている。果たしてそうだろうか。知能の高さと生物の繁栄は直結しているのか? なぜ知能だけでなく、意識が進化したのか? 脳の大きいネアンデルタール人が滅んだのはなぜか? 生物進化についてのわかりやすい解説が人気の著者が、人類史の大きな謎に迫る!

-- 禁断の進化史 更科 功(著/文) - NHK出版 | 版元ドットコム

人はなぜ物を欲しがるのか

人はなぜ物を欲しがるのか
  • 『人はなぜ物を欲しがるのか: 私たちを支配する「所有」という概念』
  • ブルース・フッド/著、小浜杳/翻訳
  • 白揚社
  • 2022/12/14
  • ISBN: 9784826902441

手に入れたい、独占したい、失いたくない……
所有という行為と「自分のものにしたい」という所有欲は、人間が生きていくうえで必ずかかわってくる。

そもそも所有という行為は、進化の中でどのように生じたのか?
個人の所有欲は、社会のあり方にどんな影響を与えたのか?
そして、私たちがいくら物を手に入れても幸福になれないのはなぜなのか?

心理学、生物学、社会学、行動経済学など多様な分野の知見をもとに、私たちの人生を支配する「所有」というものの正体を探る。

-- 人はなぜ物を欲しがるのか ブルース・フッド(著/文) - 白揚社 | 版元ドットコム

オームステッド セントラルパークをつくった男

オームステッド セントラルパークをつくった男
  • 『オームステッド セントラルパークをつくった男: 時を経て明らかになる公共空間の価値』
  • ヴィートールド・リブチンスキー/著、平松宏城/翻訳
  • 学芸出版社
  • 2022/12/12
  • ISBN: 9784761540975

“ランドスケープの父”の生涯と設計思想
ランドスケープアーキテクトの父と称されたフレデリック・ロー・オームステッドは船員、農場経営、奴隷解放のジャーナリスト等、職を転々とした後、セントラルパークの仕事に出会った。
彼が目指したのは、誰もがアクセスでき、心身の健康を保てる都市公園。権力争いや財務に翻弄されながらも本質は守り抜き、今日まで続く公園をつくりあげた。
その後、都市公園のみならずグリーンインフラ、国立公園の基礎となる実践を重ね、思想とデザインを深化させていく。
公共空間の価値が問いなおされている今、先駆者の一生と哲学を描いた本書は、まちづくり関係者の必読書。

-- オームステッド セントラルパークをつくった男 ヴィートールド・リブチンスキー(著/文) - 学芸出版社 | 版元ドットコム

宗教の世界史

宗教の世界史
  • 『宗教の世界史』
  • ジョン・C・スーパー/著、ブライアン・K・ターリー/著、南塚信吾/監修、秋山晋吾/監修、ほか
  • シリーズ: ミネルヴァ世界史〈翻訳〉ライブラリー
  • ミネルヴァ書房
  • 2022/12/20
  • ISBN: 9784623094240

本書は、主要な宗教の歴史を論じるとともに、宗教 が世界史のなかでどのような役割を担い、政治や文化を動かしてきたかを描き出す。多くの学問分野にまたがる宗教研究の成果を取り入れながら基本概念を検討しつつ、テーマを設定することで宗教ごとの聖典や善悪の考え方などを対比し、宗教と国家、 権力、社会、芸術などとの関わりを、近年の傾向もふまえて縦横に論じる。

-- 宗教の世界史 ジョン・C・スーパー(著/文) - ミネルヴァ書房 | 版元ドットコム

なぜ理系に女性が少ないのか

なぜ理系に女性が少ないのか
  • 『なぜ理系に女性が少ないのか』
  • 横山広美/著
  • 幻冬舎
  • 2022/11/30
  • ISBN: 9784344986763

大学・大学院など高等教育機関における理系分野の女性学生の割合は、OECD諸国で日本が最下位。女子生徒の理科・数学の成績は世界でもトップクラスなのに、なぜ理系を選択しないのか。そこには本人の意志以外の、何かほかの要因が働いているのではないか――緻密なデータ分析から明らかになったのは、「男女平等意識」の低さや「女性は知的でないほうがいい」という社会風土が「見えない壁」となって、女性の理系選択を阻んでいるという現実だった。日本の男女格差の一側面を浮彫りにして一石を投じる、注目の研究報告。

-- なぜ理系に女性が少ないのか 横山広美(著/文) - 幻冬舎 | 版元ドットコム

情報パンデミック

情報パンデミック
  • 『情報パンデミック: あなたを惑わすものの正体』
  • 読売新聞大阪本社社会部/著
  • 中央公論新社
  • 2022/11/08
  • ISBN: 9784120055928

米大統領選→コロナワクチン→ウクライナ侵攻、次々に連鎖する陰謀論。誤情報をネットで流布する匿名の発信者を追い、デマに翻弄される人々の声を聞く――。高度化する“嘘”の裏側に迫るドキュメント。『読売新聞』長期連載「虚実のはざま」、待望の書籍化。

-- 情報パンデミック 読売新聞大阪本社社会部(著/文) - 中央公論新社 | 版元ドットコム

映画の理論

映画の理論 物理的現実の救済
  • 『映画の理論: 物理的現実の救済』
  • ジークフリートクラカウアー/著、竹峰義和/翻訳
  • 東京大学出版会
  • 2022/12/26
  • ISBN: 9784130101530

『映画の理論』はクラカウアーの主著であり、映画研究において揺るぎない地位を占めている「古典」かつ金字塔である。「物理的現実を記録し、開示する」映画媒体を一貫性と包括性をもって探究し、その核心へと漸近していく。映画研究/写真論における必読文献、本邦初訳。
Siegfried Kracauer, Theory of Film: The Redemption of Physical Reality, Oxford University Press, 1960 の全訳。

-- 映画の理論 ジークフリート クラカウアー(著/文) - 東京大学出版会 | 版元ドットコム

システム・エラー社会

システム・エラー社会
  • 『システム・エラー社会: 「最適化」至上主義の罠』
  • ロブ・ライヒ/著、メラン・サハミ/著、ジェレミー・M・ワインスタイン/著、小坂恵理/翻訳
  • NHK出版
  • 2022/12/26
  • ISBN: 9784140819272

巨大テック企業のイノベーションが民主主義を壊す! スタンフォード大学からの警鐘
巨大テック企業やIT技術者を動かす根本原理である「最適化」は、イノベーションを支える思想である。しかし、「最適化」そのものが目的となるとき、それは公平・プライバシー・個人の幸福の追求といった価値を破壊することになる――。コンピュータサイエンスのイノベーションを象徴する地・シリコンバレーに多数の人材を送り出すスタンフォード大学は、卒業生や先端IT技術者に見られる過度の技術偏重に危機感を抱き、コンピュータ工学における倫理教育プログラムを刷新した。その動きを主導するの三人の教授による、人類の繁栄と個人の幸福を両立させる方法を模索する一冊!

-- システム・エラー社会 ロブ・ライヒ(著/文) - NHK出版 | 版元ドットコム

心を測る

心を測る
  • 『心を測る: 現代の心理測定における諸問題』
  • デニー・ボースブーム/著、仲嶺真/監修・翻訳、下司忠大/翻訳、三枝高大/翻訳、須藤竜之介/翻訳、ほか
  • 金子書房
  • 2022/12/13
  • ISBN: 9784760824441

心理測定は「心」を測れているのか?
現代の心理測定の理論的・科学哲学的基盤が詳細に論じられ、心理測定における妥当性の革新的な考え方が提唱されている。
心理学に留まらず、教育学、看護学、医学、統計学、計算科学など幅広い領域で「心」の測定を扱う研究者にとって必携の書である。

-- 心を測る デニー・ボースブーム(著/文) - 金子書房 | 版元ドットコム

霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界

霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界
  • 『霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界』
  • 霞いちか/著
  • カンゼン
  • 2023/02/17
  • ISBN: 9784862555960

政治家対応、大量の資料作成、、、霞が関の人のことをもっと知ってほしい!
国民の多くが残念ながらちゃんと理解していない官僚の日々の仕事や役割。
政治家とのやり取りも含め、ブラックボックスのようになっている霞が関の人の 日常を、実際に霞が関で働く著者が、ユニークにわかりやすく解説します!

-- 霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界 霞いちか(著/文) - カンゼン | 版元ドットコム

綿の帝国

綿の帝国――グローバル資本主義はいかに生まれたか
  • 『綿の帝国――グローバル資本主義はいかに生まれたか』
  • スヴェン・ベッカート/著、鬼澤忍/翻訳、佐藤絵里/翻訳
  • 紀伊國屋書店
  • 2022/12/20
  • ISBN: 9784314011952

綿の歴史は資本主義の歴史であり、常に暴力と強制を伴っていた――
18世紀以降、綿産業の中心となった欧米の資本家と国家は、グローバルな綿のネットワークを形成、栽培のための労働力として奴隷貿易が定着するも、奴隷制廃止後には奴隷に代わる労働力の争奪戦が続き、現代の大手アパレルはコスト削減のため、国境を越えて工場を移している。
膨大な資料をもとに5000年、5大陸にわたる綿とそれにかかわる人々の歴史をたどり、今日私たちが直面している国家間・社会間の経済的不平等を含む現代世界の成り立ちを追究するとともに、国際協調のあり方についても示唆を与える、バンクロフト賞受賞作。

-- 綿の帝国――グローバル資本主義はいかに生まれたか スヴェン・ベッカート(著/文) - 紀伊國屋書店 | 版元ドットコム

歴史学の作法

歴史学の作法
  • 『歴史学の作法』
  • 池上俊一/著
  • 東京大学出版会
  • 2022/12/26
  • ISBN: 9784130230803

歴史とは何か、そして史料とは何か。ヨーロッパ史研究を牽引してきた著者が歴史学のさまざまな手法を解説、学問の基本と作法を平易に説く。歴史教育の現状も視野に入れ、私たちがこれからすすむべき道を示す。概論を学びたい学生や、歴史を見る眼を養いたい社会人にも最適。

-- 歴史学の作法 池上 俊一(著/文) - 東京大学出版会 | 版元ドットコム

ドイツ社会保険史

ドイツ社会保険史 社会国家の形成と展開
  • 『ドイツ社会保険史: 社会国家の形成と展開』
  • 福澤直樹/著
  • 名古屋大学出版会
  • 2012/06/01
  • ISBN: 9784815807016

19世紀末、世界最初の導入から東西統一後の今日まで、年金・医療・労災保険において先進的施策を生み出してきたドイツ社会保険の通史を初めて描出。社会保険発祥の国が直面した、制度・市場・国家・社会・財政などの難題を余すところなく捉え、現代日本にも多くの示唆を与える成果。

-- ドイツ社会保険史 福澤 直樹(著) - 名古屋大学出版会 | 版元ドットコム

戦争障害者の社会史

戦争障害者の社会史
  • 『戦争障害者の社会史: 20世紀ドイツの経験と福祉国家』
  • 北村陽子/著
  • 名古屋大学出版会
  • 2021/03/09
  • ISBN: 9784815810177

二度の大戦により、300万人におよぶ大量の戦争障害者を生み出したドイツで、国家に奉仕した「英雄」はどのようなその後を生きたのか。公的支援や医療の発達、義肢や盲導犬などの補助具の発展と、他方での差別や貧困、ナチへの傾倒などの多面的な実態を丁寧に描き、現代福祉の淵源を示す。

-- 戦争障害者の社会史 北村 陽子(著) - 名古屋大学出版会 | 版元ドットコム

右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】

右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】
  • 『右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】: 恐怖をあおる政治を暴く』
  • ルート・ヴォダック/著、石部尚登/訳
  • 明石書店
  • 2023/01/13
  • ISBN: 9784750355153

ナショナリズム、外国人排斥、人種差別、性差別、反ユダヤ主義、イスラム嫌悪など、極右ポピュリストが煽動する政治的言説やレトリックを体系的かつ批判的に分析することで、右翼勢力が台頭するメカニズムを明らかにし、それに対して何ができるかを問いかける。

-- 右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】 ルート・ヴォダック(著) - 明石書店 | 版元ドットコム