環境3

メディア地質学

メディア地質学
  • 『メディア地質学: ごみ・鉱物・テクノロジーから人新世のメディア環境を考える』
  • ユッシ・パリッカ/著、太田純貴/翻訳
  • フィルムアート社
  • 2023/02/03
  • ISBN: 9784845919291

人類は石油を掘りスマホは化石になる──
物質という視点や長大な時間から現代のメディア状況を捉え直す、気鋭の研究者によるハードでドライなメディア文化論。
ポストヒューマンや新しい唯物論にも接続するパースペクティヴから"傍若無人な人新世(Anthrobscene)"を看破する──

-- メディア地質学 ユッシ・パリッカ(著/文) - フィルムアート社 | 版元ドットコム

グリーン経済学

グリーン経済学
  • 『グリーン経済学: つながってるけど、混み合いすぎで、対立ばかりの世界を解決する環境思考』
  • ウィリアム・ノードハウス/著、江口泰子/翻訳
  • みすず書房
  • 2023/01/18
  • ISBN: 9784622095712

環境思考で経済的効率性、持続可能性、政治、税制、倫理、金融といった現代社会のあらゆる側面を鳥瞰する。

-- グリーン経済学 ウィリアム・ノードハウス(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

大いなる錯乱 アミタヴ・ゴーシュ(著/文) - 以文社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784753103706

インド出身の世界的な作家アミタヴ・ゴーシュが、シカゴ大学で行った地球温暖化・気候変動に関する講演に基づく、「物語」「歴史」「政治」の三部からなるエッセイ集。巻末には日本語翻訳版独自に、訳者による特別インタヴューを掲載。

 なぜ、これまで「気候変動」は、「真剣な小説(シリアス・フィクション)」の主要なテーマとされてこなかったのか。

 そこにはいまだに、19世紀を通してつくりあげられたブルジョワ的秩序と「近代」的な世界観を基調とした、「平凡」で「おだやか」なものという「自然」概念が息づく。また、20世紀におけるシュールレアリスムやマジカル・リアリズムといったリアリズム芸術の潮流もまた、気候変動を描くことにおいては倫理的困難にぶつかってしまう。

 こうして、21世紀における「オブジェクト指向存在論」「アクターネットワーク理論」「新しいアニミズム」といった新しい思想は、気候変動という危機と人間ならざるものとのかかわりにおける、「思考しえぬもの」の「認知=再認」の問題に呼応しながら登場してきたと言えるだろう。それは、今後ますます増加するであろう、人間ならざるもの(ノン・ヒューマン)が現に、かつ身近に存在しているという「不気味さ」との対峙でもある。

 著者のアミタヴ・ゴーシュは、気候変動そのものが資本主義と帝国によって推進されてきたこと、ポストコロニアリズムと「人新世」的諸問題のつながりを指摘しながら、「惑星的危機」の時代に警鐘を鳴らす。「気候変動の危機はまた、文化の危機でもあり、したがって想像力の危機でもあるのだ」と。

アミタヴ・ゴーシュ(著)、三原芳秋/井沼香保里(翻訳)。