2022年10月33

オートメーションと労働の未来 アーロン・ベナナフ(著/文) - 堀之内出版 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909237774

「AI技術の発展にともなう急速な自動化(オートメーション)によって、多くの仕事が不要になり大量失業が引き起こされる」 そんな言説が、シリコンバレーの有力者から、政治家、批評家などにまで広がり、雇用危機が盛んに論じられている。

しかし、本当に「オートメーション化」によって、私たちが直面しつつある雇用危機は説明できるのだろうか? 世界的に注目を集める社会理論家アーロン・ベナナフが、このような「オートメーション論」が抱える誤りを明らかにし、その裏に隠された資本主義の根本的な問題に迫る。

アーロン・ベナナフ著、佐々木隆治監訳・解説、岩橋誠/萩田翔太郎/中島崇法訳。

自己啓発の罠 マーク・クーケルバーク(著/文) - 青土社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784791775088

「自己啓発」とは何か

私たちは自己啓発に夢中だ。自己啓発の文化は、古典、宗教、資本主義などから生まれたが、今日では人工知能、ソーシャルメディア、ビッグデータという新しいテクノロジーが自己啓発の意味を書き換えている。それは数千億規模の産業だが、私たちを決して幸せにしてくれない。むしろそのせいで私たちは落ち着きを失い、不安になり、自暴自棄になっている。本書は自己啓発がなぜこれほどまでに有害になったのかを分析し、自己啓発の罠から抜け出すための新しい自己の概念と社会変革がなぜ必要なのかを具体的に示す。

マーク・クーケルバーク著、田畑暁生訳。

人種契約 チャールズ・W・ミルズ(著) - 法政大学出版局 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784588011504

現代の民主主義国家が自明の前提とする社会契約論はその根底にレイシズムをはらんでいる。ホッブズ、ロック、ルソー、カントからロールズにいたる白人のための政治哲学を書き換え、あらゆる政治体制の基本構造に埋め込まれた人種差別契約を打ち砕くためにわたしたちはいかに思考すべきか。批判的人種理論の射程を大きく広げたブラック・ラディカリズムの名著、邦訳成る。

チャールズ・W・ミルズ著、杉村昌昭/松田正貴訳。

実況中継・社会学 北田 暁大(著・文・その他) - 有斐閣 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784641174443

東京大学での講義をもとにした書き下ろし教科書。「いじめ」「愛国心」「○○化する社会」など,社会的な話題をどう考えると社会学になるのか。「等価機能主義」に軸足をおき「問題がどのような意味で問題なのか」を社会学理論を背景に吟味し,社会問題について考える道筋を示していく。

北田暁大著。

ボクのクソリプ奮闘記 ディラン・マロン(著/文) - DU BOOKS | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784866471808

◎毎日、山のように届くクソリプ=誹謗中傷に悩まされていた著者マロンはあるとき思い立ち、コメントの送り主のひとりと電話で直接会話してみるという大胆な行動に出る。

◎自分を憎んでいるはずの相手がなにを考え、なぜ心無いコメントを送ってきたのかを知ることで、〈インターネット上のコミュニケーションが孕む問題点〉〈会話することの有効性〉について気づきを得る。

◎この前代未聞の社会実験に手ごたえを感じたマロンは次に、ネット上で反目しあっている他人同士を繋いで会話してもらうというプロジェクトを始めるのだが……。

ディラン・マロン著、浅倉卓弥訳。

アメリカの歴史を知るための65章【第4版】 富田 虎男(編著) - 明石書店 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784750354569

2000年の初版以降、アメリカの最新事情やトピックを増補してきた本シリーズが待望のリニューアル。今回は、新たに女性史を補強する合衆国憲法修正第19条に関する章と、トランプ政権の歴史的意味を解説する章を追加。これぞアメリカ史入門書の決定版!

富田虎男/鵜月裕典/佐藤円編著。

増補改訂版 言語哲学大全Ⅰ 飯田 隆(著/文) - 勁草書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784326103096

分析哲学が何を問題にしてきたかを論じて日本での受容の素地を作ったロングセラーの大河入門書第I巻、35年を経て遂に増補改訂!

第I巻では現代の言語哲学の始祖とされるフレーゲとラッセルについて、その仕事が登場した文脈を示し、それがなぜ重要なのかを積極的に評価して位置づける。本文はほぼ初版そのままとし、註にて文献を多数アップデートするほか、1987年の初版以降現在までの研究の進展を踏まえた書き下ろしの論考を収録。哲学の変遷と展望を示す。

飯田隆著。

ドイツ映画史の基礎概念 古川 裕朗(著/文) - 九州大学出版会 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784798503363

本書は、現代ドイツ映画史への手引書である。「移民」「ナチス」「東西ドイツ」を扱った21世紀以降のドイツ映画賞受賞作を取り上げ、現代のドイツ映画が〈ドイツ人のディアスポラ〉という戦後のモチーフをどう描いたのかを解明し、その歴史的変容を解説する。新しい視点でドイツ映画を観るのに最適な一冊。

古川裕朗著。

トランスジェンダー問題 ショーン・フェイ(著) - 明石書店 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784750354637

トランス女性である著者が、トランス嫌悪的な社会で生きるトランスの現実を幅広い分析によって明らかにする。不十分な移民政策、医療体制の課題など、英国の抱える問題は日本と共通するところが多く、本書は日本の「トランスジェンダー問題」を考える上でも大いに参考になる。

ショーン・フェイ著、高井ゆと里訳、清水晶子解説。

翻訳とはなにか 小山亘(著/文 | 編集) - 三元社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784883035533

翻訳とは、ある言語で言われたことを別の言語で言い換える、ただ、それだけのことなのか。近現代の翻訳を問い直し、その背後にナショナリズム、言語純粋主義、標準語中心主義などのイデオロギーを見出すことにより、方言、語用、相互行為などを含む、社会文化的なコミュニケーションの地平で翻訳――言語間翻訳、言語内翻訳、そして記号間翻訳――その全体を捉える枠組みを提示する。すなわち、本書は、翻訳を、社会文化空間の中で生起するコミュニケーションという出来事とその連鎖が織り出す記号過程として描くことをとおして、今日の翻訳および現代翻訳研究の全体像を解き明かすものである。

小山亘著。

近代社会と個人 竹内真澄(著/文) - 御茶の水書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784275021649

西洋社会思想史を<私人>と個体の同一性から相克への発展として解読し、個体の全面開花によって<私人>の排他性を止揚する回路を開き、これによって将来社会を創造する実践に寄与しようとする思想史分析は、従来ほとんど注目されてこなかった。長い研究史の中において、いまだ未発見の隠された尾根道を辿り、その個体概念の足跡を内在的な展開として論証することが本書の課題。

竹内真澄著。

フェミニスト・シティ レスリー・カーン(著/文) - 晶文社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784794973290

なぜ、ベビーカーは交通機関に乗せづらいのか? 暗い夜道を避け、遠回りして家に帰らなければならないのはどうしてか? 女性が当たり前に感じてきたこれらの困難は、じつは男性中心の都市計画のせいかもしれません。

これからの都市は、男だけでなくあらゆるジェンダーに向けて作られなければならない。

近代都市は男性による男性のための計画によって形作られてきた。多くの公共スペースは女性のために設計されておらず、母親、労働者、介護者として生活する女性たちに不自由を強いてきた。ヨーロッパでは街を歩くだけで売春婦と思われた時代があり、現代においても危険な夜道は解決されない問題として残っている。フェミニズムを建築的に展開させた本書が、世界を作り出す新しい力(パワー)になるだろう。

レスリー・カーン著、東辻賢治郎訳。

因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか ジューディア・パール(著/文) - 文藝春秋 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784163915968

・今までの統計学では答えられなかった「なぜ?の科学」とは? ・それは3段の「因果のはしご」を使って説明できる ・著者は人工知能界のノーベル賞にあたるチューリング賞受賞! ・現在のデータ主義には限界がある。それを乗り越える「因果推論」とは? ・その商品が売れた理由をどう分析し、新たな儲けにつなげるか? ・公衆衛生におけるベストな選択肢の考え方とは? ・人間のように考えられる人工知能=強いAIはつくれるか? ・そもそも私たち人間はどのように「因果関係」を考えているのか?

統計学とデータ分析を超えた新たな学問の誕生!

ジューディア・パール著、ダナ・マッケンジー著、松尾豊監修・解説、夏目大訳。

確率の哲学 一ノ瀬 正樹(監修) - 森北出版 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784627083011

確率はいったい何を表し、どう根拠づけられるのか?哲学的に筋道を立てて確率を論じるとはどういうことか?そのためにはどのような手法が必要なのか?

「ある会社の採用試験を受けたとき、自分が採用される確率はどれくらいか」「最近事件が起こった国へ渡航したとき、自分が事件に巻き込まれる確率はどれくらいか」このような場面を題材に確率の哲学的側面を解説します。

扱う手法は、意志決定理論から始まり、記号論理や確率論理学を経て、カルナップが提唱した帰納論理へとたどり着きます。哲学者の思考と研究アプローチに触れられる一冊です。

一ノ瀬正樹監修、金子裕介著。

コスモポリタニズム クワメ・アンソニー・アッピア(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784622095330

「コスモポリタニズムの出発点をなすのは単純な考え方である。国家における場合と同様、全人類を単位とする共同体においても、私たちは違いを乗り越えて平和に共存することを習慣としなければならない、という発想がそれである」(本文より)

コスモポリタニズムのこうした発想は耳に心地よいが、現実離れした理想主義的な考え方だ、ととらえる向きもある。コスモポリタニズムの考え方を徹底することで、国家や地域、さらには家族といった、個性や伝統を備えたつながりや愛着が犠牲になりはしないだろうか、といった疑念がもたれることもあるだろう。

しかし、と著者アッピアは言う。この地球に住むすべての人を気にかけて暮らすことと、個々別々の地域に根差した文化や伝統を大切にして暮らすことは両立させられるはずだ。

アッピア自身が、ガーナ人の父とイギリス人の母のもとに生まれ、現在アメリカに居を構えるコスモポリタンである。本書は、ともすれば安易な理想主義に陥りかねないコスモポリタニズムの思想を、さまざまな文化や習慣に触れてきた著者の経験を交えつつ、現代に通用する形で鍛え直すことをねらいとしている。「過去の遺物」ではない、「新しい可能性」をもった倫理として。

クワメ・アンソニー・アッピア著、三谷尚澄翻訳。

DataStory Nancy Duarte(著/文) - 共立出版 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784320006126

データで相手の行動を変える手法がついに明らかに!

現代社会において、ほとんどすべての人が意思決定のためにデータを利用しています。会社の報告会で、学校のレポート作成で、家庭の家計簿で…データが関わらない場面はないといってもよいでしょう。しかしながら、データからわかったことを、他人に短時間でうまく伝えるのは実に難しいことです。

もし、データから重大な問題や絶好の機会を見つけたとしたら、どうしますか? どのように洞察を伝えますか? 本書では、相手に行動を起こさせるためのデータの効果的な伝え方を解説しています。

ナンシー・デュアルテ著、渡辺翔大/木村隆介/宮下彩乃訳。

顔を聞き、声を見る 日本認知科学会(編集) - 共立出版 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784320094697

多感覚知覚の興味深い現象から、マスク着用の影響まで コミュニケーションのしくみを心理学的に解明!

私たち人間のコミュニケーションは、感覚器官をフル活用した高度な営みである。視覚・聴覚・触覚などの感覚はそれぞれが単独で機能しているだけではなく、それらの間にはさまざまな相互作用も生じていることは明らかである。

例えば、地下鉄のホームなどの騒がしい場所で会話をするとき、つい相手の口元の動きも注視していることはないだろうか。これは、聞こえにくい相手の声を視覚から得た情報で補おうとしているのである。

つまり、私たちはこのとき、「声を見て」いるのだ。

本書では、そのような感覚を超えたダイナミックな五感の働きを「多感覚コミュニケーション」と位置づけ、それを支える多感覚知覚のしくみや、多感覚知覚を土台としたコミュニケーションに関する心理学的研究を多数紹介する。

田中章浩著。

縛られる日本人 メアリー・C・ブリントン(著/文) - 中央公論新社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784121027153

人口減少が進む日本。なぜ出生率も幸福度も低いのか。日本、アメリカ、スウェーデンで子育て世代にインタビュー調査を行いデータとあわせて分析すると、「規範」に縛られる日本の若い男女の姿が見えてきた。日本人は家族を大切にしているのか、日本の男性はなぜ育児休業をとらないのか、日本の職場のなにが問題か、スウェーデンとアメリカに学べることは――。アメリカを代表する日本専門家による緊急書き下ろし。

メアリー・C・ブリントンメアリー著、池村千秋訳。

クルーハウスの秘密 キャンベル・スチュアート(著/文) - 緑風出版 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784846122140

戦争について書かれた本は、それこそ数限りなく存在するのだが、ここに新たな一冊を書き加えようとすることは、なかなかの勇気がなければできるものではない。しかし私がこの本を書くべきだと考えたのは、1918年に、わが英国が敵国に対して行った目覚ましいプロパガンダ戦争の物語であること、さらにそこには、ある意味で先駆的な歴史上の活動を記録しているからである。

 平和に向けたさまざまな原則が確定されるまで、このような本の出版は、待たなければならなかった。これには、連合諸国の政府が困惑するような内容の文書を含む可能性もあったので、機会が熟す前の出版は不可能であった。

 しかし、もはやそのような懸念はないだろう。クルーハウスのプロパガンダ戦争に関するその組織、行動は、かつての世界大戦中、そして平和を確立していく時期には、一般の人々に秘匿されねばならなかったが、時の経過につれて。そのような必要も自ずとなくなったのである。(本書序文より)(2022.9)

キャンベル・スチュアート著、松田あぐり/小田切しん平訳。

格差の起源 オデッド・ガロー(著/文) - NHK出版 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784140819111

究極の謎を解き明かし、未来への指針を示す!

30万年近く前にホモ・サピエンスが誕生して以来、 人類史の大半で人間の生活水準は生きていくのがぎりぎりだった。 それが19世紀以降に突如、平均寿命は2倍以上に延び、 1人当たりの所得は地球全体で14倍に急上昇したのはなぜか? この劇的な経済成長の鍵は“人的資本の形成”だったことを前半で説く。 それを踏まえて後半では、なぜ経済的な繁栄は世界の一部にとどまり、 今なお国家間に深刻な経済格差があるのかを検討する。 制度的・文化的・地理的要因に加え、“社会の多様性”が根源的な 要因だったと論じる。人類史を動かす根本要因に着目した 〝統一理論〟にもとづいて、究極の謎を解き明かした世界的話題作!

オデッド・ガロー著、柴田裕之監訳、森内薫訳。

普通の若者がなぜテロリストになったのか  カーラ・パワー(著/文) - 原書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784562072033

ヨーロッパやアメリカからIS などの武装勢力に参入した若者たち、その親、送還・逮捕された若者たちの更生に関わる人々に取材。なぜ宗教に関係のない若者たちがテロ組織に加わったのか。ピュリツァー賞、ナショナル・ブック・アワードのファイナリストによる注目作。

カーラ・パワー著、星慧子訳。

限界ニュータウン 吉川 祐介(著) - 太郎次郎社エディタス | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784811808505

千葉県北東部には俗に「限界住宅地」「超郊外住宅地」、あるいは「限界ニュータウン」と呼ばれるような分譲地が数多く存在する。そのほとんどが1970年代半ばから80年代にかけて、投機目的で分譲されたミニ住宅地である。

首都近郊にありながら、交通利便性は悪く、生活インフラもあまり整っていない。 家屋よりも更地のほうが多く、住民の新陳代謝もあまり起こらない。 無住区画はどんどん荒れ地化していき、共同設備は劣化。住宅地は管理不全に陥っていく。

これは千葉県だけの問題なのか。 だれがこの状況を作っているのか──。

「限界ニュータウン」を訪ね歩きつづける著者が、 その誕生から現状をたどり、利活用と未来を考える。

吉川祐介著。

認知科学講座3 心と社会 鈴木 宏昭(編集) - 東京大学出版会 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784130152037

認知を状況、それを構成する他者、モノとの関係でとらえる

人間は社会という環境への適応を迫られ、その中で認知活動を行い、知性を育んでいる。一方、社会を構築し、変革する主体でもある。認知を個体の頭の中だけではなく、認知が行われる状況、それを構成する他者、モノとの関係でとらえようとする研究のアプローチは極めて多様である。行動実験、脳計測のような実験科学的なものもあれば、状況論、エスノメソドロジー、エスノグラフィーのような社会学由来のもの、さらには身体論をベースにした現象学的なものもある。また学習科学に代表される学びを引き出す環境のデザイン、ロボットなどの人工物との相互作用を通した構成論的アプローチもある。第3巻では、こうした多様なアプローチの成果をまとめ、社会的存在としての人間の姿を描き出す。

鈴木宏昭編。

日本近世の秩序形成 牧原 成征(著/文) - 東京大学出版会 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784130201612

中世から近世へと日本の歴史の大きな転換期となった豊臣政権期に社会はいかに変容し統合されたのか。そしてそれを実現する権力がいかに成立したのか、全国的・国際的な動向を見渡しながら、地域の変動をもたらした土地制度や社会構造を丹念に分析し、新たな近世的秩序の成立を考察する。

牧原成征著。

暴力のエスノグラフィー ティモシー・パチラット(著) - 明石書店 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784750354477

1日に2500頭の牛が食肉処理される産業屠殺場――その現場に政治学者が覆面労働者として潜入し、不可視化された暴力の実態を明らかにする。さらに屠殺の観察を通して、現代社会における監視と権力、暴力の恩恵を受ける多数者の矛盾と欺瞞、そして〈視界の政治〉の輪郭を浮かび上がらせる。

ティモシー・パチラット著、小坂恵理訳、羅芝賢解説。

もうひとつの声で──心理学の理論とケアの倫理 キャロル・ギリガン(著/文) - 風行社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784938662387

フェミニズムに画期をもたらし、〈ケアの倫理〉の原点とされる名著の増補版を完訳。女性の道徳発達を低く見積もってきた、主流派心理学の男性中心主義を剔抉、「目の前の苦しみを和らげ、誰ひとり取り残されてはならない」と命じる〈ケアの倫理〉の声を聴き取る。原題 “In a Different Voice: Psychological Theory and Women’s Development”

キャロル・ギリガン著、川本隆史/山辺恵理子/米典子訳。

歴史はなぜ必要なのか 南塚 信吾(著/文) - 岩波書店 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784000256766

なぜラグビーのナショナルチームには外国籍の選手が入っているのだろう? 長野の高冷地野菜栽培の歴史は意外に新しい? 歴史を知ると村上春樹の小説がもっと面白くなる?――私たちが生きる現在の世界は過去の歴史の蓄積の上に成り立っていることを、第一線の歴史家たちが、身近の具体的な事例を通してわかりやすく解き明かす。

南塚信吾・小谷汪之・木畑洋一著。

反自然主義の教育思想 今井 康雄(著/文) - 岩波書店 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784000615570

教育はもはや「世界」がいかなるものかという実在論的な問いを子どもに提示できず、ただ子どもの「自然」な発達を科学的に分析し、学習を効率化することしか目指せないのだろうか。昨今の自然主義的な教育観の思想的淵源を、「自然」概念の変遷を軸に古典古代からアレント、ベンヤミンにいたるまで再検討する。壮大な教育思想史。

今井康雄著。

カール・マルクス 未来のプロジェクトを読む 植村 邦彦(著/文) - 新泉社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784787722058

資本主義の終わり方と、私たちの未来を考える

格差と貧困の拡大、疎外された労働の拡大……。 「資本主義の矛盾」の深化は、改めてマルクスを歴史の表舞台に押し出した。 現代的な視野からマルクスを再読することで、社会の現実を変革していくうえでの大きな沃野が開けてくる。 私たち自身の未来のプロジェクトを読み取るために――。

植村邦彦著。