認知科学2

顔を聞き、声を見る 日本認知科学会(編集) - 共立出版 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784320094697

多感覚知覚の興味深い現象から、マスク着用の影響まで コミュニケーションのしくみを心理学的に解明!

私たち人間のコミュニケーションは、感覚器官をフル活用した高度な営みである。視覚・聴覚・触覚などの感覚はそれぞれが単独で機能しているだけではなく、それらの間にはさまざまな相互作用も生じていることは明らかである。

例えば、地下鉄のホームなどの騒がしい場所で会話をするとき、つい相手の口元の動きも注視していることはないだろうか。これは、聞こえにくい相手の声を視覚から得た情報で補おうとしているのである。

つまり、私たちはこのとき、「声を見て」いるのだ。

本書では、そのような感覚を超えたダイナミックな五感の働きを「多感覚コミュニケーション」と位置づけ、それを支える多感覚知覚のしくみや、多感覚知覚を土台としたコミュニケーションに関する心理学的研究を多数紹介する。

田中章浩著。

認知科学講座3 心と社会 鈴木 宏昭(編集) - 東京大学出版会 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784130152037

認知を状況、それを構成する他者、モノとの関係でとらえる

人間は社会という環境への適応を迫られ、その中で認知活動を行い、知性を育んでいる。一方、社会を構築し、変革する主体でもある。認知を個体の頭の中だけではなく、認知が行われる状況、それを構成する他者、モノとの関係でとらえようとする研究のアプローチは極めて多様である。行動実験、脳計測のような実験科学的なものもあれば、状況論、エスノメソドロジー、エスノグラフィーのような社会学由来のもの、さらには身体論をベースにした現象学的なものもある。また学習科学に代表される学びを引き出す環境のデザイン、ロボットなどの人工物との相互作用を通した構成論的アプローチもある。第3巻では、こうした多様なアプローチの成果をまとめ、社会的存在としての人間の姿を描き出す。

鈴木宏昭編。