2022年8月20

「修養」の日本近代

「修養」の日本近代
  • 『「修養」の日本近代 : 自分磨きの150年をたどる』
  • 大澤絢子 著
  • NHK出版
  • 2022.8
  • ISBN: 9784140912744
  • NHKブックス ; 1274
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

明治からみんな「意識高い系」だった。明治大正期に「帝大出」のようなエリートでなかった人々、昭和期にサラリーマンとして会社で研修に励んだ人々、ビジネス書や自己啓発の消費者となった若い人々-。彼らが拠りどころにしたのは、あくなき向上への意欲だった。本書は、「教養」として語られがちな自己成長のための営為が実は明治初頭から宗教の力を借りて社会に広く行きわたり、近代日本の社会を根底で支える水脈となっていたことを示す。時代ごとの大衆文化の豊かさ、切なさ、危うさに触れながら“日本資本主義の精神”の展開史を描き出す気鋭の力作!

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ライブハウスの人類学

ライブハウスの人類学
  • 『ライブハウスの人類学 : 音楽を介して「生きられる場」を築くこと』
  • 生井達也 著
  • 晃洋書房
  • 2022.1
  • ISBN: 9784771035669
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

不可視化された実践に目をむけ、ライブハウスという場を再発見する。閉鎖的で非合理な「場」として語られるようになったライブハウス。社会の周縁へと押しだされながらも、その場へ集う人びとの実践を考察することで、協働的な「自分達にとっての価値」が生まれる道程を捉える。

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LIMITS

LIMITS
  • 『LIMITS : 脱成長から生まれる自由』
  • ヨルゴス・カリス 著、小林舞, 太田和彦, 田村典江 監訳、小林正佳 訳
  • 大月書店
  • 2022.8
  • ISBN: 9784272111282
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

ローマ・クラブ『成長の限界』から50年。資本主義の限界、地球の限界…。気候変動とパンデミックのなか、「限界(LIMITS)」が再び議論の中心に現れた。脱成長論を世界的にリードする研究者が説く、自由、民主主義、エコロジーの新たな思想。

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自由が上演される

自由が上演される
  • 『自由が上演される』
  • 渡辺健一郎 著
  • 講談社
  • 2022.8
  • ISBN: 9784065280454
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

「自由」は教えられるのか。参加者の「自主性」と「主体性」を引き出すとされるワークショップ。しかしそこでもある種の「権力」は生じうるのではないか。教師からも環境=アーキテクチャからも強制されない「真の自由」は可能か。プラトン、ランシエール、平田オリザ、國分功一郎、ハイデガー、ジャン=リュック・ナンシー、ラクー=ラバルトらのテクストを援用し、演劇、演劇教育から日常のコミュニケーションまで射程に入れた画期的自由論。第65回群像新人評論賞受賞作を大幅に加筆増補。

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会話を哲学する

会話を哲学する
  • 『会話を哲学する : コミュニケーションとマニピュレーション』
  • 三木那由他 著
  • 光文社
  • 2022.8
  • ISBN: 9784334046224
  • 光文社新書 ; 1215
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

『ONE PIECE』『鋼の錬金術師』…あの登場人物たちが会話を通じて企んでいることー。私たちは会話を通じて何を伝え、何を企んでいるのか。あるいは相手の心理や行動にどんな影響を及ぼそうとしているのか。漫画や小説など、27のフィクション作品を題材に、「会話」という営みを徹底分析!

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自民党の魔力

自民党の魔力
  • 『自民党の魔力 : 権力と執念のキメラ』
  • 蔵前勝久 著
  • 朝日新聞出版
  • 2022.7
  • ISBN: 9784022951786
  • 朝日新書 ; 873
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

自民党とは何か?強者をのみ込むブラックホールか?自民党所属の政治家は、数字上は、国会議員より圧倒的に地方議員の方が多い。「官邸主導」の第2次安倍政権以降はトップダウン組織に見えるが、地方ではボトムアップの側面がいまだ強い。首相ら党幹部への忠誠度が高い国会議員と、自民党同士の争いに価値を見いだす地方議員。両者の関係や地方議員と地域のつながりを主軸に、自民党内の力学、連立を組む公明党、さらには立憲、維新ら野党のあり方を証言とエピソードをもとに考察する。

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憲法上のポピュリズム宣言

憲法上のポピュリズム宣言
  • 『憲法上のポピュリズム宣言 : ここでは人々が支配する』
  • リチャード・D. パーカー 著、池端忠司 訳
  • 春風社
  • 2022.8
  • ISBN: 9784861108150
  • 神奈川大学法学研究所研究叢書 ; 35
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

トーマス・マンの小説『マーリオと魔術師』を素材にして、一般民衆の政治的エネルギーについての二つの感性「反ーポピュリズムの感性」と「ポピュリズムの感性」を分析し、両者に代わる新たなポピュリズムの感性を再定位。大衆への蔑視とエリート主義による“立憲主義”を批判し、憲法についての議論のあり方を感性との関係で問い直す。

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民主主義のルールと精神

民主主義のルールと精神
  • 『民主主義のルールと精神 : それはいかにして生き返るのか』
  • ヤン=ヴェルナー・ミュラー [著]、山岡由美 訳
  • みすず書房
  • 2022.8
  • ISBN: 9784622090991
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

この本は政治マニュアルではない。私たちには本来の原理について考える時間がありーまたその時間をつくるべきでもありー本書はそこにひとつの可能性を賭けている。この原理は特定の具体的制度や政治の細かいルールを定めているわけではない。それどころか民主主義のあり方はひとつに限られないし、民主主義の営みには複数の方法がある(民主主義を装う方法が複数あるのと同じように)。

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日本のカーニバル戦争

日本のカーニバル戦争
  • 『日本のカーニバル戦争 : 総力戦下の大衆文化1937-1945』
  • ベンジャミン・ウチヤマ [著]、布施由紀子 訳
  • みすず書房
  • 2022.8
  • ISBN: 9784622095231
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

総動員令が発令されても、「臣民」は息をひそめ、ただ同調したわけではない。統制が厳しくなるにつれ、大衆は無遠慮、不謹慎、価値倒錯的な行動さえとるようになり、メディアもそれを煽ったのだ。日中戦争の従軍記者は、戦場での「百人斬り競争」をこぞって報じ、銃後はその記事に飛びついて、文字通り「消費」した。「スリル」という日本語も、この頃生まれた。20世紀初頭のロシアの文学理論家バフチンは、このような状況を「カーニバル」と呼んだ。社会の通常のルールが一時的に適用されなくなり、既存の階層構造が壊されて平準化する、過渡的な瞬間のことだ。そこでは強者が貶められ、弱者や一癖ある者がコミュニティの「カーニバル王」に祭りあげられる。こうして「カーニバル戦争」は「大衆に、鬱積した不満を吐き出すセラピー効果のある通気口を提供」した。その象徴的な存在として本書が取り上げるのは、(1)「スリル・ハンター」となった従軍記者、(2)高給取りの軍需工場の職工、(3)兵隊(帰還した傷病兵を含む)、(4)映画スター(総力戦のチアリーダーも務めた)、(5)少年航空兵(戦争末期には特攻隊員に)。著者は日本の近現代史を専門とする、アメリカの気鋭の歴史学者。膨大な量の当時の新聞雑誌からの引用(軍国少年の投書や柳屋ポマードの広告まで)を土台とした、「消費者=臣民」の具体的な描写に、読者は魅了されるだろう。

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奴隷会計

奴隷会計
  • 『奴隷会計 : 支配とマネジメント』
  • ケイトリン・ローゼンタール [著]、川添節子 訳
  • みすず書房
  • 2022.8
  • ISBN: 9784622095248
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

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政治的なものの概念

政治的なものの概念
  • 『政治的なものの概念』
  • カール・シュミット 著、権左武志 訳
  • 岩波書店
  • 2022.8
  • ISBN: 9784003403020
  • 岩波文庫 ; 34-030-2
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年8月19日取得)

政治的なものの本質を「味方と敵の区別」に見出したカール・シュミット(1888-1985)の代表作。1932年版と33年版を全訳し、各版での修正箇所を示すことで、初出論文である27年版からの変化をたどれるように編集。さらに63年版の序文や補遺等も収録した。行き届いた訳文と解説によって、「第三帝国の桂冠法学者」の知的軌跡が浮かび上がる。

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非暴力の力

非暴力の力
  • 『非暴力の力』
  • ジュディス・バトラー 著、佐藤嘉幸, 清水知子 訳
  • 青土社
  • 2022.8
  • ISBN: 9784791774869
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年7月17日取得)

暴力とは何か。暴力を正当化する「自己防衛」、その「自己」の意味を徹底的に問い直し、人間が根本的に、他者や非人間を含む環境と相互依存していることを明らかにする。私たちは個人主義の罠を超えて、どのように連帯することができるのか。常に現代の諸現象を鋭く分析し、精神の最深部に訴えかけ続けてきた著者が示す、戦争とレイシズムの時代における非暴力のマニフェスト。

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ナイス・レイシズム

ナイス・レイシズム
  • 『ナイス・レイシズム : なぜリベラルなあなたが差別するのか?』
  • ロビン・ディアンジェロ 著、甘糟智子 訳
  • 明石書店
  • 2022.8
  • ISBN: 9784750354224
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年7月17日取得)

黒人や先住民、アジア人などの非白人を日常的に差別するのは、敵意をむき出しにする極右の白人至上主義者ではない。肌の色は気にしないという「意識の高い」リベラルだー善意に潜む無意識の差別を暴き、私たちの内に宿るレイシズムと真に向き合う方法を探る。

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心はこうして創られる

心はこうして創られる
  • 『心はこうして創られる : 「即興する脳」の心理学』
  • ニック・チェイター 著、高橋達二, 長谷川珈 訳
  • 講談社
  • 2022.7
  • ISBN: 9784065241066
  • 講談社選書メチエ ; 767
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年7月17日取得)

無意識の思考、深層心理、内的世界…そんなものは存在しない。記憶の中の光景も、政治的信念も、あの人を見た時のときめきも、すべては脳の即興=瞬間的にでっち上げているものだった!最新の神経科学や認知心理学研究による常識を揺るがすような実験結果の数々で私たちの「心」の理解を刷新する、超刺激的論考!

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リーディングス合理的選択論

リーディングス合理的選択論
  • 『リーディングス合理的選択論 : 家族・人種・コミュニティ』
  • 小林盾, 金井雅之, 佐藤嘉倫 編、鈴木伸生 [ほか] 訳
  • 勁草書房
  • 2022.8
  • ISBN: 9784326603534
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年7月17日取得)

社会科学の多様な展開を支えてきた合理的選択論の最重要論文集。人びとの行動や社会の動きを「各個人の合理的判断の結果」とみなす合理的選択論(合理的選択理論、rational choice theory)の、現代社会でも輝きを失わない、骨太な古典的業績。

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平等と効率の福祉革命

平等と効率の福祉革命
  • 『平等と効率の福祉革命 : 新しい女性の役割』
  • イエスタ・エスピン=アンデルセン [著]、大沢真理 監訳、不破麻紀子 [ほか] 共訳ほか
  • 岩波書店
  • 2022.7
  • ISBN: 9784006004514
  • 岩波現代文庫. 学術 ; 451
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年7月17日取得)

キャリアとジェンダー平等を追求する女性と、性別分業に留まる女性との間で広がる格差。価値観・学歴の似た者同士が結婚する傾向が強まるなか、世帯間の格差が増幅し、不平等が世代を越えて継承され、社会の効率性が損なわれてしまう。この流れを転換するにはどうすればいいのかー。比較福祉国家論の第一人者が抜本的方策を提言。日本の女性の状況を各国と比較分析した解題、日本語版のための用語解説を付す。

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草の根のファシズム

草の根のファシズム
  • 『草の根のファシズム : 日本民衆の戦争体験』
  • 吉見義明 著
  • 岩波書店
  • 2022.8
  • ISBN: 9784006004521
  • 岩波現代文庫. 学術 ; 452
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年7月16日取得)

日中戦争、アジア太平洋戦争を引き起こし、日本を崩壊させた天皇制ファシズム。その被害者とされてきた民衆がファシズムを支えていたこと、そして戦争末期の悲惨な体験から戦後デモクラシーが生まれたことを民衆が残した記録から明らかにしてゆく。従来の歴史観に根本的転換をもたらした名著、待望の文庫化。

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戦争と罪責

戦争と罪責
  • 『戦争と罪責』
  • 野田正彰 著
  • 岩波書店
  • 2022.8
  • ISBN: 9784006033323
  • 岩波現代文庫. 社会 ; 332
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年7月16日取得)

戦場で残虐行為を行った兵士たちの心情を精神病理学者が丹念に聞き取る。なぜそのような行為を行ったのか、その時に何を感じたのか、その後、自らの行為とどのように向き合ってきたのか…。集団に順応することを求められる社会において、抑圧された「個」の感情を私たちはいかにして回復するのだろうか。

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