社会思想83

〈悪の凡庸さ〉を問い直す

〈悪の凡庸さ〉を問い直す
  • 『〈悪の凡庸さ〉を問い直す』
  • 田野大輔, 小野寺拓也 編著、香月恵里, 百木漠, 三浦隆宏, 矢野久美子 著
  • 大月書店
  • 2023.9
  • ISBN: 9784272431090
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年5月17日取得)

アイヒマンを形容した〈悪の凡庸さ〉。アーレント自身は歯車のように命令に従っただけという理解を否定していたにもかかわらず、多くの人が誤解し続けている。この概念の妥当性や意義をめぐり、アーレント研究者とドイツ史研究者が真摯に論じ合う。 [目次] 序 いま〈悪の凡庸さ〉の何が問題なのか 第1部 〈悪の凡庸さ〉をどう見るか 1 〈悪の凡庸さ〉は無効になったのかーーエルサレム<以前> …

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AI時代の感性

AI時代の感性
  • 『AI時代の感性 : デジタル消費社会の「人類学」』
  • ダニエル・コーエン 著、林昌宏 訳
  • 白水社
  • 2023.9
  • ISBN: 9784560093726
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年5月9日取得)

「AIは絵を描いたり音楽をつくったりできるが、自分の生成したものが美しいかどうかは判断できない。判断できるのは、感情を持つ人間だけだ。」(本書より) ハイパー資本主義における、SNS依存社会で数値化される「個性」とは? 本書は、DXとともに「自己同一性」の揺らぎが認められる時代、デジタルには生成しえない「感情」の重要性を説く──より創造的に、対話するために。 デジタルトランスフォーメーションにとも …

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「批判」の政治理論

「批判」の政治理論
  • 『「批判」の政治理論 : ハーバーマスとホネットにおける批判の方法論』
  • 成田大起 著
  • 勁草書房
  • 2023.8
  • ISBN: 9784326303304
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年5月9日取得)

ハーバーマスとホネットにとって「批判」とは何か。批判理論を代表する両者の批判の方法論を捉え、現代政治理論との対話を試みる。 ハーバーマスとホネットは批判を介して理論と実践がいかに関わるのか、理論家と当事者の関係を論じる「批判の方法」を探求してきた。本書は両者の主著を読み解きその方法論を「再構成的批判」として析出する。またロールズ、ウォルツァー、フレイザーらとの論争を検討し、規範的政治理論の文脈で批 …

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コモンの「自治」論

  • 『コモンの「自治」論』
  • 斎藤幸平, 松本卓也 編、白井聡, 松村圭一郎, 岸本聡子, 木村あや, 藤原辰史 著
  • 集英社
  • 2023.8
  • ISBN: 9784087370010
  • 集英社シリーズ・コモン
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年4月8日取得)

【『人新世の「資本論」』、次なる実践へ! 斎藤幸平、渾身のプロジェクト】 戦争、インフレ、気候変動。資本主義がもたらした環境危機や経済格差で「人新世」の複合危機が始まった。 国々も人々も、生存をかけて過剰に競争をし、そのせいでさらに分断が拡がっている。 崖っぷちの資本主義と民主主義。 この危機を乗り越えるには、破壊された「コモン」(共有財・公共財)を再生し、その管理に市民が参画していくなかで、「自 …

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リベラリズム

  • 『リベラリズム : リベラルな平等主義を擁護して』
  • ポール・ケリー 著、佐藤正志, 山岡龍一, 隠岐理貴, 石川涼子, 田中将人, 森達也 訳
  • 新評論
  • 2023.8
  • ISBN: 9784794812452
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年3月26日取得)

世界人口の7割が独裁国・地域に住む現在、自由主義・民主主義の行く末は何処か? リベラルな平等主義の意義を再説する古典的名著 本書はリベラリズムの理論を語り直し、擁護しようとする。なぜ改めてリベラリズムを擁護する必要があるのだろうか。著者は、外的脅威への恐怖があらゆる政治的争点を棚上げにしている世界において、〈リベラルな平等主義〉の原理を再提示し、政治権力や多数派の世論による専制に抗する規範的な理由 …

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資本とイデオロギー

  • 『資本とイデオロギー』
  • トマ・ピケティ [著]、山形浩生, 森本正史 訳
  • みすず書房
  • 2023.8
  • ISBN: 9784622090489
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年3月22日取得)

ベストセラー『21世紀の資本』を発展継承する超大作、ついに邦訳。《財産主義》という視点から、三機能社会、奴隷制社会、フランス革命、植民地支配から現代のハイパー資本主義まで、巨大なスケールで世界史をたどり、イデオロギーと格差の関係を明らかにする。さらには《バラモン左翼》と《商人右翼》の連合に囚われつつある現代民主政治を分析。労働者の企業統治参画と累進年次資産税など、新たな公正な経済システムを提示す …

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資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

  • 『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』
  • ナンシー・フレイザー 著、江口泰子 訳
  • 筑摩書房
  • 2023.8
  • ISBN: 9784480075659
  • ちくま新書 ; 1740
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年3月19日取得)

資本主義は私たちの生存基盤を食い物にすることで肥大化する矛盾に満ちたシステムである。世界的政治学者がそのメカニズムを根源から批判する。 なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。それは、資本主義が私たちの生活や自然といった存立基盤を餌に成長する巨大なシステムだからである。資本主義そのものが問題である以上、「グリーン資本主義」や、表面的な格差是正などは目くらましにすぎず、根本的な解決策にはなり …

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贈与をめぐる冒険

  • 『贈与をめぐる冒険 : 新しい社会をつくるには』
  • 岩野卓司 著
  • ヘウレーカ
  • 2023.5
  • ISBN: 9784909753168
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年3月17日取得)

栗原康さん推薦! 「こいつはどっこい革命の書だァ! 義務も制裁もない道徳をいきろ。 プレゼントをなめるな。」 貧困や格差の拡大、つながりの喪失による孤立や無縁化、生態系の破壊……、わたしたちの社会は大きな困難に直面している。 このままでは世界はいったいどうなるのか、そんな不安を感じながら生きている人は少なくないだろう。 こうした課題の根本的な原因といえるのが、資本主義の行き過ぎである。 しかし、わ …

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否認された共同体

否認された共同体
  • 『否認された共同体』
  • ジャン-リュック・ナンシー 著、市川崇 訳
  • 月曜社
  • 2023.7
  • ISBN: 9784865031706
  • 叢書・エクリチュールの冒険
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年2月20日取得)

晩年の思想的到達点。1980年代、バタイユに触発されてナンシーは『無為の共同体』を刊行し、ブランショは『明かしえぬ共同体』でナンシーに応答した。30年後、ナンシーはバタイユを再び取り上げつつ、亡きブランショへ本書で問いかける。コミュニズムの地平の彼方へと、ナンシーの共同体論は新たに歩み出る。本書をめぐるジェローム・レーブルとの対談を付す。

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完全性概念の基底

  • 『完全性概念の基底 : ヨーロッパの教育概念史』
  • 田中智志 著
  • 東信堂
  • 2023.6
  • ISBN: 9784798918365
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年2月20日取得)

ヨーロッパ近代教育思想の根源でもある人間の「完全性」。初期キリスト教思想に由来するこの概念には、神との交わりや他者とのつながりなど、人間が生きるための力動の「存在」があった。カルヴァン派による外在的規範の内面化、フランス啓蒙思想によって生じた利己心、そして近代合理主義ーその後ヨーロッパを覆った時代のうねりの中、現代にまで継承されている「完全性」概念の系譜およびその近代教育思想とのかかわりを眺望した …

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政治学 上

  • 『政治学 上』
  • アリストテレス 著、三浦洋 訳
  • 光文社
  • 2023.7
  • ISBN: 9784334754822
  • 光文社古典新訳文庫 ; KBア2-4
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年2月16日取得)

「人間は国家を形成する動物である」。この有名な定義で知られるアリストテレスの主著の一つで、後世に大きな影響を与えた政治哲学の最重要古典。王制と独裁制(単独者支配)、貴族制と寡頭制(少数者支配)、共和制と民主制(多数者支配)。六つの国制を基盤に現実的な最善の国制を探究する。

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ヘーゲル承認論の射程

  • 『ヘーゲル承認論の射程 : 格差・分断の時代に抗して』
  • 高田純 著
  • こぶし書房
  • 2023.6
  • ISBN: 9784875593720
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2025年1月4日取得)

「承認」のアクチュアリティ。ヘーゲルによれば相互承認とは、生活を支え合うなかで、自他をパートナーとして認め、処遇し合うという深く広い意味を持つ。その実現の場は家族、経済、国家の人倫的諸関係であり、これらはケア、連帯、福祉を含む。社会的な差別、格差、排除が深刻化するなかで「承認」論の意義を問い直す。

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