文学とテクノロジー

  • 『文学とテクノロジー : 疎外されたヴィジョン』
  • ワイリー・サイファー 著、野島秀勝 訳
  • 白水社
  • 2023.5
  • ISBN: 9784560093511
  • 出典:国立国会図書館書誌データ(2024年6月20日取得)

実験室は十九世紀が生んだもう一つの人工楽園だった。芸術に「科学の正確さ」を求めた自然主義者はもちろん、純粋な美を目指した象徴主義者やデカダン派に至るまで、十九世紀の芸術家たちは「美のテクノロジー」に憑かれていた。マラルメはすべてを計算して詩から偶然を排除せんとし、フローベールは考古学的考証に耽り、ゾラは芸術家は現象をうつす写真家でなければならないと説いた。産業社会に反逆、あるいは逃避したはずの作家たちが、実は彼らの忌避したテクノロジー思考に支配されていたことをあばき、近代における「方法の制覇」「視覚の専制」、そこから生じる距離と疎外の問題を論じて、文化史の革命的書き換えを成し遂げた名著。待望の復刊。

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